ユーザヘルプの作り方補遺
Windows Mobile でのユーザヘルプは、独特な作り方?をします。実際はヘルプファイルは、ただの html ファイルなので作り方自体は独特ではないですが、独特の決まりごとが何点かあります。
詳しいことは、以下のサイトに書かれています。
.NET Framework 開発者ガイド 方法 : ユーザー ヘルプを表示する
http://msdn2.microsoft.com/ja-jp/library/ms229662.aspx
この情報を元に Pocket の手のヘルプを作成してみましたが、ここに書いていない事柄などが色々とあり苦労しましたので、これから WM ユーザヘルプを作成される方々のためにも補足情報を書き残しておきたいと思います。
※作業中に書き溜めたメモをまとめたものですので、間違いなどが含まれているかもしれません。間違いや追記などがありましたら是非お知らせください。
.NET Framework 開発者ガイドの補足
META タグについて
<META HTTP-EQUIV="Htm-Help" Content="Critters.htm#main_contents">
という行はあってもなくても良い。ただし、
<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=文字コード">
という行を文字コード指定のためには入れておいたほうが良いだろう。
KEYWORD タグについて
検索用キーワード <KEYWORD> は入れなくても良い。
トピック間の区切りコメントタグについて
トピックの間に <!-- PegHelp --> が必要と解説されている。しかし一番最後のトピックの後ろにも必要である。つまり HTML ファイルの最後は以下のようになる。
<!-- PegHelp -->
</BODY></HTML>
この最後の <!-- PegHelp --> が無いとこのトピックを開いたときに「ヘルプを開くことができません。」というメッセージが表示されトピックが表示されない。
このサンプル critter.htm ファイルは、</body> タグの前に <!-- PegHelp --> が入っていないため、options ページをタップをしてもページを開くことが出来ない。
トピックを表す A タグについて
各トピックを表す <A> タグは、
<a name="overview">
のようにしなければならない。このように name 要素の値を指定するときに " ( ダブルクォーテーション ) ではなく ' ( シングルクォーテーション ) の指定をすると、このヘルプファイルのトピックを開いたときに「ヘルプを開くことができません。」というメッセージが表示されヘルプが表示されない。
トピック間の処理について
また各トピックの <!-- PegHelp --> と <A name> タグの間に文字列を入れても表示されない場合がある。
<!-- PegHelp -->
<a name="overview"></a><h1>概要</h1>
とすれば概要という文字列が表示されるが、
<!-- PegHelp -->
<h1>概要</h1>
<a name="overview"></a>
とした場合は概要という文字列は表示されない。
<!-- PegHelp --> と <A name> タグの間に入れると表示されるタグとされないタグがあるようだ。( まだ詳しくは調べていない )
その他 TIPS
ショートカットについて
ヘルプを開くためにはショートカットを作成し、
とする。このときヘルプファイルは \Windows フォルダに入っていた方が良い。
"\Windows\peghelp.exe" \Storage Card\critters.htm#main_contents
として \Windows フォルダ以外のヘルプファイルを開くことはできるが画像ファイルを開くことが出来ない。
2bp 画像ファイルのリンクについて
\Windows フォルダに配置されているヘルプファイルの画像指定は、以下のように指定する事で \Windows フォルダ以外に配置されている画像ファイルも指定できる。
<img src="..\Storage Card\image.2bp">
<img src="help\image2.2bp">
しかし \Windows フォルダ以外に配置されているヘルプファイル内で、上のように画像ファイルを指定しても画像ファイルを開くことは出来ない。
2bp 画像ファイルの作成について
ヘルプで使用する画像ファイルは .2bp 2ビットビットマップファイルでなければ使用する事が出来ない。
<img src="image.jpg">
としても「ヘルプを開くことができません。」とメッセージが表示されて画像は表示されない。
この 2bp ファイルを作成するには ActiveSync のファイル変換フィルタを使用する方法もあるが、いちいち変換の手間が面倒である。
2bp ファイルは、DIB ファイル形式と内部フォーマットは同じらしいので、JPG や GIF ファイルを DIB ビットマップファイルに変換するソフトがあれば、2bp ファイルを作成する事が出来る。
- WindowsXP に付属しているペイントで画像を保存するときに「***色ビットマップ」を選択し、ファイルの拡張子を手動で dib にする。すると DIB 形式で保存される。
- 次にこのファイルの拡張子を DIB から 2bp に手動で変換する。これで 2bp ファイルに変換する事が出来る。
- 保存するときの注意は、24ビット ビットマップで保存するとファイルサイズが大きくなってしまうので、256色や16色で保存する方が良い。しかしペイントは、16色で保存するとカラーではなくグレースケールで変換されてしまい白黒の画像に変換されてしまう。
Paint Shop Pro を使用して、16色 ( 4ビット ) に減色して DIB ファイルで保存したところ 2bp ファイルをカラーで作成する事が出来た。
また ActiveSync で変換した 2bp ファイルは、WM 標準搭載の画像とカメラで開くことが出来なかったが、この方法で変換した 2bp ファイルは開くことが出来た。